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夜は飲みつつ料理三昧(禁酒やめた)


34歳兼業主婦出版系
by tokyo_ao
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離人とその対症療法(参考)


 困るほどではないが離人ぐせがあって、ときどき愉快な体験ができる。

 右利きの人は大体、デスクワークのとき左手を机の上に乗せていることと思う。このとき、無意識のうちにその左手が自分のものであることを了解している。
 ところが離人というのは、自分の体が自分のものでないような感覚になることで。

 疲れてると、自分の机の上に誰かの左手が転がってる、という認識になる。これはもう、思わず叫びそうになる程度にはびっくりする。

 コレが離人症状として一般的なのかどうか知らないが、私の場合はまずコレから始まるから「お、離人さんが来たのか」と思って、以後なにが起きても驚かない目安にできて便利だ。

 ……先週の木曜、雑誌の進行が一段落したあとから、なにかおかしかった。

離人とその対症療法(参考)_b0023749_23505840.jpg 仕事の段取りが、私じゃない。
 打つべき手を打ってないし、優先順位もおかしい。
 自分で立てて自分で実行してる企画なのに、完全にひとごとの姿勢にしか見えない。
 人と会うと、なんで人が私を私と認識できるのか不思議でしょうがない。

 寝言は寝て言うもの。
 「コレは私じゃない」と言わざるを得ないことは非常に不本意だが。
 うーん、ICD-10にも書かれていよーかというほど典型的な……。
 
 しかしなあ。
 左手、なんともないよ。

 ……私が私であろうとなかろうと大した問題ではなく、すべき仕事があることだけ現実だ。
 中学生のとき確立したメソッドを試してみる。
 「座って」。「その書類を取って」。「その字を辞書で引いて」。
 1つ1つ、端的に、具体的に。
 おお、コントロールが効く。
 
 思い出した。
 ……この仕事。うちの社長が筆舌に尽くしがたい愚かな進行ミスをして、そのために私の作業量が度しがたいほど増え、しかもそれによる欠陥は、この仕事を続ける限り付きまとうものだった。
 そうだ、生まれて初めて職場でマジギレしたあげく早退したんだった。
 そのあとS先生の仕事が入ったり、旅行に行ったり雑誌の進行があったりで、忘れてた。
 しかし、よくそんな事件を忘れてられたな。侮りがたし離人さん。

 疑問が氷解するや、一転、はらわたが煮えたぎってきた。

 あーあー、コレは怒るわ、私。私がいちばん嫌いなタイプのミスじゃないか。
 もてあますほど生ま生ましい怒りが蘇ってきた。お帰り私、仕事が待ってるよ。

 要は、左手から始まる離人が疲労から来る一過性のものであるのに対し、今度のはこの記憶から退避、またはこれを抑制するためのものだったのか。
 スッキリした、分析終了。
 明日からの生活はもう少し快適で合理的になるだろう。
離人とその対症療法(参考)_b0023749_23552289.jpg


by tokyo_ao | 2005-05-18 20:10 | つれづれ
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