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何なんだ。神隠しか。 『塗仏の宴』で1ヶ所確認したいところ(『始末』のほう)があるから探したら、京極堂シリーズまとめて、ない。 なぜ、よりによって京極堂? 店主とちがって本棚の整理が趣味のわけでなし、行方不明の本が出るのはしょうがない。ものによっては、百冊や二百冊見失っても気づかないだろう。 しかし、京極堂。ほかの本たちに紛れてしまえるレヴェルのかわいらしい本か? 作家別に分けて立てて並べてみた日には、たとえ真上から見たって誰の本なのかだいたい想像つくぞ。 本とタバコと小銭だけ持ってデイトリップと気どろうとしたら、手荷物の八割が文庫本(1冊)というマヌケな事態になったこと、忘れたわけじゃない。気どれてない。 『どすこい(仮)』なんて、前の本棚が最終的に壊れてしまったとき探し当てたら、たわんだ棚板の間に嵌まり込んで、周りの並製本たちを守ってくれてた。 伊達に太ってない。 しかし、あんまりガッチリ嵌まり込んでいるもので、取り出すのは一苦労だった。押しても引いてもビクともしないから、やむを得ず横腹に全力のチョップを続けて、棚のたわみの少ないとこまで移動させてから出した。ある意味自分が、『どすこい(仮)』と相撲をとっている。そこはキミの土俵ではない。 京極堂シリーズ全部なくすなら、まだ分かる。 誰かにまとめて貸して忘れたとか、ウチの本棚は一応作家別だから、すごく分かりにくいところへ全部おさまってしまったとか。 しかし。 外伝で、後から出たほうの『風』が見つかった。先に出た『雨』は、ない。 本編で、全7作中第3作の、『狂骨』だけが見つかった。 何なんだ、その中途半端かつ節操のない見失いかた。 あと、多々良先生とか『嗤う』とかも、見つかった。 先ほど私は「京極堂シリーズ」という言葉を非常に迂闊に使ってしまったが、それは「京極夏彦の作品」を読みたいという意味では、厳密には、ない。今は「中禅寺秋彦の話」が読みたいのだ。どっちとも釈れるけど結構ちがう。 しょうがないから『魍魎』は買ったが、『鉄鼠』が書店でも見つからない。しょうがないから「アマゾン」で見たら、ユーズド価格が出てないじゃないか。しかも『絡新婦』なんて、ユーズドのほうが高い(笑)。あんな嵩張るもん、気持ちは分かるが、それにしたってもっと刷ろうよ。 ……忙しかった。17時の納品を済ませて、今日はもう何があろうと絶対仕事なんかしてやんないぞっ、と思いながら書店めぐり。……放心状態でデスクに帰り、気づいたら、身体が勝手に仕事をしていた。明らかに、心に麻酔を射ちすぎだ。 そういう状態で『鉄鼠』を捜し歩いた。5軒目で見つかった。 数年ぶりで風邪をひいた。欠勤。
by tokyo_ao
| 2005-06-21 17:36
| つれづれ
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