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『抱きたいと思っているのなら行動に移すはずである。最初に抱かれたときも、次に抱かれたときも、藤原は嫌がる中津を押さえつけ、己の欲情を発散した』
本書のキモをまとめてみる。 2度も強姦同然にセックスしたくせに、同居したらぜんぜん手を出してこないのはなにごとか。 ……と、悩む乙女。設定上は35歳男子だ。なぜだ。 イヤそれ以前に、この書名はどうか(『恋は淫らにしどけなく』)。再入力しただけで息切れしてきた。 私が敬愛しているネット作家さんのつぶやきに、『どうしてBL系のタイトルはこう、あられもないのか。そこらへんがイマイチ馴染めない理由か』(以上大意)という、独白があった。今ちょっと出典が見つからなくてトップからリンクさせていただくが、この才媛たちの意見に、全面的に賛成だ。 しかしこの手の書名が、版元サイドのノウハウに基づいていることは疑いもなく――たしか『真実の光』だか『永遠の光』だかいう新人賞応募作が、かつて受賞後出版の暁、『スキにしちゃってかまわない』になってた。もはやなにもいうまい。 あと、恐るべきことに「2度も強姦同然に(中略)いま手を出されない」というヒロイン――じゃないよ、ヒーローにきちんと感情移入するためには、その強姦同然シーンも読まねばならない。ちなみに本書、通し番号は打ってないが「第4弾」とのこと。 いま第一期ノルマとしてリストアップしている15作家19作品は、あくまでも2006年10月現在売れてる本。だからシリーズ物でも最新刊や、最近に出た外伝のみが対象になってる。……だめ? だめなの!? 『炎の蜃気楼』シリーズ(全40巻)とか、「祝・シリーズ10周年!」らしい『子供の領分』などというバケモノども(尊称です)を前に、いま私はどうすればいいのでしょう。
by tokyo_ao
| 2006-10-22 22:42
| 無謀/BLを総括する
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