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夜は飲みつつ料理三昧(禁酒やめた)


34歳兼業主婦出版系
by tokyo_ao
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Lesson9.『皇帝は彼を寵愛する』

 『国と国の問題を出せば、我々がこうしていることが間違いになる』
 『私もあのひとのために祖国を、そして私の名誉を裏切ってしまったのです…』

 上記の引用は、片っぽが『敵国の皇帝×帝国軍人の官能ロマンス(はぁと)』とか表4に書いてある上掲書、もう片っぽが、今日家人に連れてってもらったオペラ『アイーダ』から。ヴェルディとウクライナ国立歌劇場と家人に謝れ。

 前日に続き「皇帝もの」を読む。
 「皇帝もの」とは、既にジャンルとして確立している「リーマンもの」などと異なり、私が勝手に言ってるだけだが、悪くないカテゴライズと自賛しておこう。同義で「王様もの」としてもいいわけだけど、皇帝のほうは絶滅種であるだけ、あり得ないという点で正確だ。外交上のプロトコールで日本国の天皇のみ現存する皇帝という解釈もあることは、この際あまり関係ないだろ。

 「あとがき」から読む。
 先入観のない読書を心がける上では邪道といえるが、前日の教訓を踏まえないわけにはいかない。そもそも真の読者であれば、ノーインフォメーションでもシリーズものであることくらい分かる筈。インフォメーションしてよという切願はさておき、いちげんさんが「なんだこの世界は!」と騒ぐのは見苦しい。失礼を避けるためにも、当面はこのスタイルでいく。

 時は明治末期、ただし(ロシアをモデルとした)架空の国が舞台なので、あくまでも借景、と。
 なんて安心感だ。
 45ページ、時間も場所も定かでないままゆらゆら読んでしまった、前日の教訓が生きている。

 安心しながら読んでいたら、「皇帝」は初手から「帝国軍人」に平手打ちを公衆の面前でかました。理由は、かつての幼なじみなのに覚えてない(ふりをした)からだそうだ。これは予測できなかった。そして16折(256ページ)中の34ページめで、早くも私室のカウチに押し倒す。

 『先に無礼をなさったのは陛下でいらっしゃる。我が大使館に所属する者を勝手に拉致なさるという暴挙は、国際法上、どう解釈したらよいものか』  

 主人公の上司である「大使」の抗議は、心情的にはしごくもっともだ。しかし国際法はそこまで面倒みなかろう。
 それとこの「大使」は仮装パーティーでみごとな女装を披露しており、駐在国の「外務大臣」と、たぶん既にできてる。

 ……「あとがき」によればこの話、「新シリーズというか、まだシリーズにはなっていないのですが(笑)」だそうだから、今後の定点観測の対象として、タイムリーな作品と言える。
 次作は年明けくらいかしら。たぶん読むよ。  

by tokyo_ao | 2006-11-05 04:05 | 無謀/BLを総括する
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