夜は飲みつつ料理三昧(禁酒やめた)


34歳兼業主婦出版系
by tokyo_ao
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<   2006年 12月 ( 5 )   > この月の画像一覧


Lesson番外3.BL小説を貸したのち音信不通になった友、及びM-1グランプリの「つかみ」について

 まず、前回「白菜」を出したのは全然いらんかった。やり直す。

 コンビ、登場。
ボケ  (なにひとつ観客にアピールしないままに、力いっぱい相方を抱きしめる)
     「ぼくの運命の人をこの舞台に連れてくることができました! ありがとフゥー!」
ツッコミ(当初うろたえ、引き剥がそうとし、だんだん虚ろな目になって脱力する)
     「ごめんな……おかん(既婚者はヨメの本名)……」
ボケ  (間。全力で、相方をステージに叩きつける)
     「けがらわしいからっ!」
ツッコミ(何事もなかったように上体だけ起こしつつ)
     「おれズボン買うてん……」
ボケ  (手を引いて助け起こし、ズボンの埃をはらいつつ)
     「あ、よぉ見たらおニューやんかなあ」
 以下、ネタへ

 序盤ぐだぐだだったポイズンガールバンドを想定してやってみたのだが……。
 難しい。
 じゃなくて、私はBL小説のレビューをやってたんだ。
 「どうしちゃったんですか?」って訊かれた。イヤそれはそもそも、BL小説のレビューを始めたときに訊かれたんだった。

 初めてBL小説を貸してみた友達は、お家の留守電にメッセージを入れてみたら、電話をくれた。
 携帯電話をなくしちゃったから、一時停止にしといたんだそう。
 「あはは、意外と心配しぃだよねー」と言われた。

 いっしょに遊ぶ約束をしたついでに、ムダ話もした。BL小説は、どんなのが好きなのかわからなかったから傾向の異なる3冊を貸したのだが、評価が私とほぼ一緒だった。
 なんというか、案じていたより、もっと友達だった。
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by tokyo_ao | 2006-12-30 23:21 | 無謀/BLを総括する

Lesspm17.『闇色のドルチェ・ヴィータ』

 初めてBL小説を貸した友達にメールをしたら、宛先不明で戻ってきました。
 携帯に電話をしたら、『おかけになった電話は、お客様のお申し出により、おつなぎできません』と言われました。
 神よ。BL小説のために、私は15年来の大事な友達をなくしちゃったのでしょうか。

 さて、今回の引用。
 
『喪服に裸足とは、ずいぶんそそられる格好だ』

 発言者、30代前半と思しき男性。相手は22歳男性。舞台は雨の街角だ。
 どういうクオリアしてんだ。
 しかも、この台詞、5ページから始まる本文において、9ページ3行目に登場する。
 早っ。ラヴァーズ文庫、展開早っ。

 このスピードは、お笑い芸人のかたに、大いに参考にしてほしい。M-1グランプリを毎年たのしみに見ているのだけど――今年は外出の途中、録画を忘れたことに気づいてすごすご家に帰った。なお、夫婦で。
 いずれもネタを作りこみすぎの気がする。

 結局、4分間まんべんなく笑わせたチュートリアルが優勝したが、いわゆる「つかみ」さえ抑えておけば、また結果は違ったのではないか。こんな、異論だけ述べて代替案を提示しない姿勢はすごくヤだから強いて言うけど、まずは自己紹介ののち、どっちでもいいから相方を、力いっぱい抱きしめてみては。
 「ぼくの運命の人をこの舞台に連れてくることができました! ありがとフゥー!」とか叫ぶ。

 で、発言者は一回転する。「そういえば白菜って、おいしいから日清戦争で日本に来た野菜?」とか超ヤる気の無い口調で言う。「どうでもいいよ!」と、全力で、相方は抱きしめられながらボケる。
 その後ネタを始めてはどうだろう。

 なんか余計なことを言っただろうか。
 私は旧友にコンタクトを取れないのだけ、気がかりだ。
 幸い家電は知ってるから、あした尋常な時間にかけてみたいと思う。
 
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by tokyo_ao | 2006-12-29 01:16 | 無謀/BLを総括する

Lesson16.『ハチミツ浸透圧』

 今回、引用はナシ。本書が私の手許にないのは、酔った勢いで友人に貸してみたからだ。
 『こんなの借りてくれる友だちがいた』という驚きを、引用文よりも今つたえたい。

 なんでも我が友は就職活動中で、現実逃避のすべを読書に求めているのだそう。
 いかにも、BL小説は人生について考えさせられる要素が著しく少ない。ないと言ってもいい。
 現実逃避の一法を試みるとき、だまされたつもりで男性もBL小説を手にとってみてはどうだろうか。

 そういえば、「パイナップルとひじきのサラダ」というレシピが手持ちの料理本にあって、「意外なおいしさにビックリ」だそうだ。だまされたつもりになる気にまだなれん。
 ひと様に薦めときながらこんな連想してるようじゃダメだ。

 本書はタイトルがわかりにくいので、先に解説する。
 主人公が幼なじみに「どろっとした好き」という感情を抱いているから、ふたりの心に、互いの気持ちが染みこみ合うまでが大変なのだそうだ。
 大変というか、BL以外の小説だったら、そのあとに起こるのは惨劇だと思う。

 幼なじみというのがまた、17歳の運動部員(剣道)という設定のせいか、性欲が大変なことになっている。理性に反してどうにも止まらなくなっちゃった男の子を、Lesson16にして初めて見た。
 しかし17歳のすぐれて健康な男子であれば実際こんなもんのはずで、リアリティという点で首肯せざるを得ないのがなんだかな。リアリティ? なにか忘れてないか。

 初めてといえば、10代の男役というのも初登場である。これは予想と大きく異なるBLの「今」だ。
 思い出話になるが、まだBLが「やおい」というどこか淫靡な隠語で語られていた時分、それは限りなく「少年愛」に近い世界ではなかったか。
 14歳とか17歳とかいう言葉自体に、我々は詩情を感じ――ごめん、劣情でいいや――、今の言葉で言えば「萌えワールド」を展開させ得たのではなかっただろうか。

 それが今や、「17歳」は「さかんな性欲」をもたらす設定に過ぎない。
 実際この17歳、上記のどうにも止まらない状態になっちゃったあと、今度は自己嫌悪から主人公に触れられなくなる。で、主人公が泣く。実に17歳だ。

 本書はそこらへんの心理描写がきめこまやかな佳作である。
 ……さよなら私のトポス。
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by tokyo_ao | 2006-12-22 20:29 | 無謀/BLを総括する

Lesson.15『兄と、その親友と』

『世の中のルールなんてものは、誰が作ったのかわかんねーようなものもたくさんあるけど……それでもやっぱり、犯してはいけない禁忌みたいなものってあると思うんだよ』

 2作連続、兄の親友とセックスしてて兄に踏み込まれる男子の話を読んでしまった。うかつだった。
 ほんとは、NYのマフィアにあえがされる商社マンの話を読む順番だったのに、会社に置いてきてしまっていた。そっちのがうかつだ。

 それはとにかく、上記の引用は「兄の親友」のセリフだ。つまり、「親友と弟と」の現場に踏み込むほうではなく、踏み込まれるほうの発言である点にご注目いただきたい。
 どの口が言うか。

 要するに上記の「禁忌」は、言わずもがなだが男同士のセックスを咎めているのではない。であればBLとして成立しない。彼の言わんとするところは兄と弟の近親相姦で、現に彼は、身を挺してそれを防いだ(「兄」にはグーで殴られた)。
 なぜなら兄もまた弟を愛しているからだ。ひいては、私が2作連続で読んだのは、「兄とその親友が弟を奪い合う話」だったことになる。

 前回の『知ってる躰』も、実はそういう話だった。
 14歳の主人公を強姦しかけたのは兄の親友ではなく、実兄(24)だ。なぜ弟がそれを錯覚したかといえば、その直前まで、兄の親友を想ってオナニーしてたから。兄も兄だが弟もどうか。

 それは一応伏線じみた扱いになっていたために、レビューでは触れなかった。
 しかし「売れてるBL」のみをターゲットに読書していて、2作連続そういうネタなんだから、もう伏線として認めない。

 「兄とその親友が弟を奪い合う話」は、いまジャンルとして確定した。

 当該ジャンルの名称と定義については、また後ほど。
 ここは一番、本書の隠れたハイライトについて書かせていただきたい。

 本書の「兄」は、実の弟に欲情していることを、当の弟、および自分が親友と見なしている人物に知られてしまう。そして想いは実らない。
 のみならず、弟が親友に奪われるところを目の当たりにする。
 狂ってもいいと思う。
 
 ……兄ちゃん、後日ふたりに紅茶だしてたよ。
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by tokyo_ao | 2006-12-13 19:58 | 無謀/BLを総括する

Lesson14.『知ってる躰』

『男同士であんなことをされてもまだ思慕を切り捨てられないなんて、異常心理以外の何ものでもない』
 「あんなこと」とは、主人公が14歳のときに強姦未遂されたことなのか、18歳のときに強姦されたことなのか、本文からは特定しがたい。その両方でも異議はない。

 14歳の女の子を強姦しようとしたら、問答無用で悪い。と信じたいけど、男の子の場合はどうなのか?
 そうじゃなくって、悪いのは「強姦」なのだよな。今ちょっと何かが分からなくなっていた。

 と戸惑う一読者に対し、作者は、「激昂して相手の男に斬りつける10歳年上の兄」を用意してくれていた。しかも日本刀で。今だったら銃刀法違反のキレた兄ちゃんに過ぎないが、本書の舞台は1943年、兄ちゃん、職業軍人。
 時代背景から鑑みても、そのくらいやっていいのかも知れない。どうも男同士の関係について友人や親戚が極度に寛容か無関心、あるいは自らホモという話ばかり読みつけていたから、安心した。

 しかし、主人公は14歳。
 萩尾望都のしっぽを引きずりながら成人した70年代生まれの腐女子にとって、それだけで共感を得やすい年齢設定だ。そのくらいの歳だったら、女の子よりきれいな男の子もわりとリアルでいるし。
 ただ、なんというか、全200ページ中60ページ弱がセックスの描写だった。

 たいしたこと無いように聞こえるかもしれないが、60ページセックスの描写だけを書くということは大変なことだ。
 なにしろ、官能小説と違ってBL小説は、「精神的な関わり」なくして成立しない。そこが一番の違いだと言っていいくらいだ。

 200ページからカラダの関係60ページを引いて、あと140ページでココロの関係と、もちろんストーリーも展開させなければいけない。労作だと思う。

 今まで私がさんざん嫌がってきた、口絵の存在意義がここで生きてくる。つまり本書には口絵が無い。 
 いくら主人公が14歳でも、とびきり下品な口絵が用意されていたならば、それなりの心構えができていたはずなのだ。

 もはや誰にも喜ばれないレベルにまで達していると思われた、口絵の存在意義について、考えさせられた一作であった。
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by tokyo_ao | 2006-12-08 01:45 | 無謀/BLを総括する