|
『ワーカホリックの本田とゴージャスリーマン久遠寺の王道ラブ』
初めて本文ではなくツキモノ(出版界で、本のカバーとオビ、その他宣伝用の印刷物全般のこと)から引用してみる。なぜって、本文を読みはじめただけではわからなかったから。 一見、なんということもない話なのだ。同様の印象はたとえば『子供の領分――rimix』を読んだときにも受けたが、そちらは男子高を舞台としているだけに、「きれいな(若い)男の子たちが/おおぜい/いちゃいちゃしている」というアドバンテージがある。 しかし本書の舞台は「会社」だ。四捨五入すると、お互い而立(30)。なにかたのしいの? 本書は、主人公2人の慌しい(これは「リーマン」ネタの萌えポイントだということを、学びつつある。ひまなリーマンを主人公とするBL小説、寡聞にして知らないや)やりとりから始まる。 冒頭から「で、どっちが男役なんだ?」と素朴に思ってる自分に気づく。自分が作り変えられつつある。それはp9から始まる本文において、p13でほぼ明らかにされるけれど。 シリーズ物の小説で、承前の場合をどうするかは永遠の課題だ。その点は前述の『恋は淫らにしどけなく』なんて、実に丁寧な描写で中途参加者にもわかりやすかった。そんなタイトルのくせにな。 10巻からいきなり買う読者と、シリーズ追っかけてる読者の比率を考えたら、ここはノーインフォメーションでいいのかも。ただし一校正者としては、メインキャラクターの巻内初出のみ、フルネームで表記してはどうかと思う。 久遠寺皇 本田雪彦 ……ほら、だいたいわかる……。 こうして世界の組成というものを知っていくのだな。
by tokyo_ao
| 2006-10-27 00:52
| 無謀/BLを総括する
|
ファン申請 |
||