夜は飲みつつ料理三昧(禁酒やめた)


34歳兼業主婦出版系
by tokyo_ao
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カテゴリ:小ネタ( 21 )


2時間ほど人生と向き合えた

★この10年で失ったもの
①運転免許証。
②実印。
③メインバンクの銀行印。
④同じく通帳。
⑤サブバンクの通帳(はんこはある、たぶん)。
⑥郵便局のはんこ。
⑦むかし使ってたプロバイダのIDとパスワード(年会費はらいっぱなし)。

 どこ行ったんだよ、この2LKで。

★得たもの
①特別区民税の督促状。
②食材の9割をお世話になってる生協からの督促状。

 銀行印がないから自動引き落としを設定も変更もできない。カネならある。
 ②は、長年「手数料を払って、自分の口座から自分の口座へ振り込み」で姑息に凌いできたが、銀行の合併でアウトになってた。変えないでくんないか、支店名……。

 だから、探した。

★失ったもの、追加
①人生の方向性。

 むかしの手帖が出てきた。
 たまたま開いたら、今は亡き恩師の遺訓があった。
 これがいちばん泣いた。
 
 ・半年バカになれ
 ・1日4時間以上やれ
 ・1日中テープを聞け
 ・3月までに語学学校に授業料を払い込め

 てか先生、私を翻訳家に落ち着けようと思ってらしたのか。 
 さとされたことは憶えていても、内容は忘れてたんだ。ちょうど、今から10年前のことだ。

 ……迷える阿呆の若造にもわかるような、具体的かつ懇切丁寧な教えだこと。1つも実行してなんだ自分は、なんちゃら情けないあほんだらか。

★とりあえず、今日やったこと
①銀行に電話して、「通帳と印鑑なくした」って言って、取引停止にしてもらう。出てきたら解除してもらえばいいし。
②特別区民税をたっぷり払っとく(年払いできるなら、早く言ってよ区役所……)。
③生協の振り込みをして、引き落とし口座にもたっぷり振り込んどく。
④プロバイダに、IDとパスワードの再請求(書面、今年の2月8日に書き終えてた。あと宛名と切手だけなのに、急な仕事で放置。日付に訂正印を押しながらオノレの不甲斐なさにまた半泣き)。
⑤イタ語の文法書を読む。ちょっと。

 ……いちばん忙しかったとき、社長宛にお友達(と私は認識してた)から電話があった。
社長「ごめん、いま忙しくて。え? 忙しいからメールは見ないことにしてるの。……って言うか、メールもしないでくれたほうが有難いんですけどぉ?」

 私はその瞬間、「お友達」が社長に、なにか失礼なことをしたのであろうことを心から祈った。
 だって、そうじゃなかったらその応対はイヤだよ人間として。
 だって他人事じゃないし!

 うぅぅん、自分の仕事があらかた片付いたからここまで出来たけど、やっぱ会社にばれちゃった。
 ボスの入稿手伝わされた。速くて凄いんだってさ。ほめるな。こんなんザクザクやるしかないだろ。時間かけてたの誰だ。経営者か。ぐあ。
 私、もう眠いや。先生、ごめんなさい。
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by tokyo_ao | 2006-07-26 00:30 | 小ネタ

1月の自殺者

リンクメモ貼り。
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by tokyo_ao | 2005-07-01 00:03 | 小ネタ

兄弟でセックスすることについて考える③

 週末、久しぶりにそのセックスしてる現場の夢を見た。
 ものすごく不愉快な目覚めで、起きたら在宅で仕事しつづけて辺りが暗くなって、それでももう月が出ても気分悪くって、あやうくどうかするところだった。

 ブログとはいえ、公言してしまったらもう、あんな夢は見ないかなと、ほんの毛の先ほど、僅かに期待をしていた。あのころは「お墓までもっていく」という選択肢以外に思いつかなかったんだっけ。

b0023749_0255753.jpg いわゆるフラッシュバックみたいに、見た映像がそのまま蘇ることは少ない。無いわけではないけれど、その場合たいがい半ばは醒めている。夢だとわかっていて、
 「あぁまた思い出しているのか。しょうがないなあ」
 と、思っている。

 夢のパターンはだいたい2つだけ。
 
① あのガラス戸に背中を密着させて(私が)立ちふさがって、誰かに応対している。「誰か」は何故か、ガラス戸の中に入りたがって、いる。「お願いだから、おかしな声を出さないで」と、ガラス戸の内に思いながら、私は下手な言い訳を繰り返している。

② セックスしている兄弟の傍に、誰かが近づいてきている。私は何故か小さい子供だ。「もうやめて。静かにして。お願いだから逃げて、気がついて。ばれちゃうよ」と、思いつく限りのことを叫んでいる。泣いている。

 今回、②のゲスト(私たちを脅かすひと)は、いま持ってる原稿の〆切を待ってる版元のひとだった。そのまんまだ。……ごめん、Sさん。

 いろんな意味で、いまどうしたらいいのか、わからないよ。
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by tokyo_ao | 2005-06-29 23:16 | 小ネタ

それはちょっとダメだ。

 風邪ひいちゃいけない身分が風邪ひいてから4日目。遅れを取り戻すべく4時起きで17時間ぶっとおし働いてみたが、大丈夫だった。
 
 あぁ。健康って、しみじみ、いい。
 そんなことで健康の有難さを思い知らされる人生って、ちっとも、よかねぇ。

 それよりなにより、ちょっと休んだだけでウチの社長に免疫がなくなってて驚いたのなんのって。
 「バカ社長」って連語は既に1つの単語として、広く社会に流通してるように思う。だからこそ、実際にはべつにバカじゃない社長も多いハズだ。

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ウチのは、やっぱ切れ味鋭い。

 ……社内のパソコン係でもある私が休んだから、困ったことが起きたみたい。それは本当に申し訳なく、思っている。
 しかし、とうとう「添付ファイル」が「FWD」で、「PDF」が「FBI」かよ!
 宇宙一円で私にしか理解できない日本語を使うな。赤ちゃんとママか。


 っていうか今日気づいたけど、それを事務的に理解してる私のほうがどうかしてはいないか?
 
 ……休んでみた甲斐はあった、という理由を、いま無理矢理にこじつけてみた。 

 寝よ。
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by tokyo_ao | 2005-06-24 23:58 | 小ネタ

すごい履歴書


 いま思い出した。

 おとつい見たバイトさんの履歴書、右半分がなかった(cf.6月2日のブログ)。
 趣味とか、資格とか書くほうの面だ。

 「ないな」とは当然気づいてたのだけど。何より写真、そして学歴職歴のインパクトが強すぎて、もうどうでもよくなってたのだ。しかしよく考えたら、それってどうでもよくないぞ。
b0023749_22494171.gif

 問題は、そんな履歴書のフォーマットが存在するのかということ。そしてその答えを私はうすうす知っている。
 改めて考えなければ見過ごしてしまいそうなことだけど、履歴書の規格というのは、実にむちゃくちゃ面倒臭くってやかましくってややこしい。

 実際、特に未成年である高卒者を高校の指導下に就職させる場合などは、本籍も家族も保護者の年齢も本人との関係も、中学までの学歴さえ書かせちゃいけない。現行のJIS規格が採用してる、「男・女」欄に丸を付けさせる形式もダメ。
 理由は大ざっぱに言って、被差別部落、片親や親のいない家庭、移民、帰国子女、女性、インターセックスのひとなどに対する差別につながるからだという。

 私はこの流れを一応肯定します。でもね。
 こうゆう理由というか皆様のご主張を、いっこいっこ拝聴して回りつつ、完璧に差別的表現のない言い回しで、「以上よろしくお含みおきの上ご了承願います」、で〆る勧告書を作るのは結構ホネだった。いやん。
 出来上がったものを客観的に見ると、もうこれはビジネス文書というより職人の仕事というか、一種の「すすどさ」漂わせるシロモノだった。
 そんなものでも、よく頒けてくれないかと言われたから、思わぬところで使われてたりするんだろう。
 我ながら気前いいなと思ったけれど、あんな、神経壊れそうになるほどデリケートな作業をする人間は少ないほうが平和だし、どうせ必要なものなら遺漏の少ないフォーマットが流通するに越したことはない。

 しかしそれでも、「二信」のほうが需要があったのは釈然としない。
 「第一信」は初めに送りつけるやつで、「ひととして正しいことをしましょうね♪」という調子。
 「二信」は、それでもゆうこと聞いてくんなかったかた向け。つまり、「怖いひとが来てあんたが困るよ」。 

 ……そんな、オノレの子どもを叱るのに「そこのおばちゃんが怒るからやめようね」のごとき愚かな母親じみたこと、ひととして穢い。叶うことだったら、やりたくなかった。
 ただ現実問題として、「二信」を欲しがるひと多し。
私    「第一信のデータも、併せてお送りしましょうか?」
同業者 「いえ、こっちだけで結構です」
私    「わかりました」
 そんなやりとりを虚ろにやりつつ、「多いんだな。恫喝されなきゃ、正しいことができないひとって」なんてセンチになってみたり。
 
 ……いらんこと思い出して長くなったが、つまり、履歴書業界というのは世間に対して防御的にならざるを得ん、ということが言いたかった。
 以上の経験を踏まえ、いちばん蓋然性の高い結論は。
 「応募してきたおじさんが、市販の履歴書を、自分で半分に切った」
 ‘漢’だ。

 っていうか、ボス、なんでこのかたに入社試験受けてもらおうと思ったの?
 40余名の応募者のうち、書類選考で4人だか5人に絞ったんでしょ。
 あなたがモノズキだから?

 「趣味」の欄に、「無自覚なナイスバディ系」と書いてきた履歴書を拝見して以来、もう、これ以上すごい履歴書はないと思ってた(cf.10月27日のブログ)。
 世の中には、私の想像も及ばぬ世界がたくさん存在する。
 この2人が、ともに採用組、とかね。
 つか、ボス。私にも期待してる? このかたの新人指導。
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by tokyo_ao | 2005-06-04 18:03 | 小ネタ

兄弟でセックスすることについて考える②


 なんでそうなってしまったか、ということについて考える。

 弟のほうが物凄く女性にモテなかったからじゃないのかな、と考える。

b0023749_2256529.jpg もっとも、男や女みんながみんな、異性にモテないからといってゲイやレズになってた日には、世界なんて簡単に終わるが。
 同性愛者全般についてこんな当て推量をしたら、政治的にも何の的にもまったく正しくないけど、私は知人のバカ1人について言っている。

 つまり、セックスの需要と供給が極端にアンバランスなもんだから、手近でわりに言いなりになる相手に手が出た、と。
 ……いや、それはどうもなあ。
 よく考えたら、Tの家族としては兄のほかに母親もいたのだから、この仮説に従えば、母親に手を出してたほうがおかしくなかったわけか。いや、おかしいけどね。
 そのほうがまだ無難(私にとって)だったことだけは、間違いない。

 ……この仮説、異性間の近親相姦では理由のひとつになるらしいから、イケると思ったんだけどなあ。
 昔の話だけど、尊属殺人罪に違憲判決が出た栃木県の例にしても、被害者(殺人罪のほうの)の性欲が異常に強かったことがけっこう克明に判決書に出てたし。
 ただ、同性間だからなあ。ケースが少なすぎて分析できないよ。 

 ともあれ、Tはモテなかった。
 というより、小学生のころから、ムカデのように女の子に忌み嫌われていた。
 理由はある。

 このバカの通信簿には小1から延々ロクなことが書かれてなかったが、小6のとき、とうとう「凶暴な行いが目に余る」と書かれてた。
 小学生に「凶暴」ってナニ? 既に十年来の付き合いだった私にさえ、何やらかしたのかサッパリ。

 わざと弱い者いじめするようなヤツじゃない、くらいは言ってやってもいいが、強い者にも弱い者にも公平にガチンコで向かっていくヤツなので結果的に同じことだ。
 女の子泣かすのも10代後半からならモテる種族だろうが、小学生だし。

 小学校を出るころ小さい引越しをして、Tは同級生と違う中学に進学することになった。
 私はこれを「好機」と見た。
 とにかく、今のヤツは女子に嫌われすぎている。 
 だめもとでアドバイス。

私 「Tちゃん、中学では女の子なぐるのやめてみない?」
T  「なんでだよ!」
私 「そしたら女の子に人気でるよ」
T  「まじ?! そんなもんなの??」

 心から不審そうな顔をするな。虫かと思うじゃないか
……というか、このころTはむくむく体が大きくなってきてて、このまんまじゃ女の子に大怪我させかねないと思ったんだよな。それだけだけど。

 後日、Tと同じ中学の友達から聞いた。
 入学式が終わったら、クラス1の美少女にパイルドライバーかまして、以来クラスの女子全員から口をきいてもらえなくなったらしい。

 ……これが完全に他人事であったなら、「ああ、その手のバカね」で済むものを。
 「女の子に手ェ上げないだけで、モテモテ中学生活」とか、私としては口にするのも憚られるような、バカなキャッチフレーズまで言ってやったというのに。

b0023749_22481411.jpg 西原理恵子がバカを評して、虫と思えば腹も立たないものを、人の姿をしているのでつい人として扱ってしまうと書いてたが、ほんと、つくづく至言。

 高校では、同じ学校の女子からあまりにモテないので世をはかなんだ末、何を思ったか、保育園の卒園名簿を引っ張り出して五十音順に電話してナンパするという挙に出た。
 なんでそんなバカなこと思いつくんだ。そしてその実行力は何だ。
 
 このときは、呼び出されて出てきた女の子が(よく・いたな・おい)おとなしい子だったのをいいことに、いきなり抱きついたそうで。
 心配してコッソリついてきてたその子の妹さんが、警察を呼んだ。
 訴えられなかったのは幸いだが、スレスレだ。いや、やったことだけで言えば立派な犯罪者か。

 ただ、私はふしぎに思ってた。
 Tは喧嘩だけは異常に強かったのだ。
 喧嘩の強い男の子って、一部の女の子(あくまで一部だ)には、それだけでもう少しはモテるものだが。

 ……Tはナンパの第一声が「やろうよ」だって友達から聞いてて、私は当然冗談だと思って笑って受け流してて、でも複数の男の子が口をそろえて且つまるで「ソレはナシだろ?」みたいなビビった顔でソレを言うのは何故だろうと思ってて、しかもたまたま煌々と明かりのついたファミレスでご飯食べてたときリアルなソレを聞いちゃって、だからご飯噴きそうになった。
 だって、一応私の友達だったのに、相手の女の子。

 ……なんか、「したかっただけ」という初めの仮説に戻っていくなあ。
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by tokyo_ao | 2005-06-03 00:18 | 小ネタ

この世には、不思議なことなど


 またウチの会社に、アンダーシックスティのバイトさんが来る。
16じゃない。60だ。

 「年齢不問」で3行広告を2度打っただけで、職がない人が40人も履歴書をくれるのだものな。
 いま自社企画の本を作っているのだが、企画自体が私の妄想なのかという妄想が湧いてくるほど、自社からのフォローがまったくない(足を引っ張られたことは、ある)。
 もうグレるか逃げるか、企画と私を抱き合わせてヨソ様へ売るかしようと思っていたけど、世間の水はカラいのだな。たぶん。

 入社試験の答案を見せてもらう。
 ――うーん、こんな出来のいい答案は初めて見た。去年入った50歳の新人さんも怖いほど優秀だったが(cf.10月27日のブログ)、その上を行く。
 もっと怖い。
 こんなに頭のいい52歳の男性が、なぜウチのような零細企業の短期アルバイトに応募してくるのか。
 ――「この世には、不思議なことなど何もないのですよ」というくらいですから、なにか理由があるのでしょうね。あまり人界の暗部を見るのは好みませんが。

b0023749_22514833.jpg 履歴書を見せてもらう前に。

社長 「先に言っとくけど、こんなこと言っちゃいけないんだけど、……ホームレスの人みたい

 それは、たしかに言っちゃいけないな。だいたい社長も私も、ひとのルックスをどうこう言えたガラじゃない。

私 「拝見します」

b0023749_22521100.jpg ……「ホームレスの絵を描け」と言われたら、私でもこんな感じに描くわな。
 もしくは北京原人

私  「最高学府の理系出身でらっしゃるんですね」
社長 「でも、職歴はずっと校閲……」
私  「というか、会社名が1つも記載されてませんね」
社長 「定職についたことがないんじゃないかな」
私  「電話番号の記載もありませんね」
社長 「電話、ないんですって」
私  「どうやって採用連絡したんですかっ」

 ……聞けばこのJさん、ここ4日間ウチの会社に日参してたそうだ。
1日目:Jさん 「採用について質問があったんだけど、今の電話聞いてたら済みました」
2日目:Jさん 「履歴書もってきました」
3日目:Jさん 「履歴書に、写真を貼るのを忘れました」(←なくもがなの写真だがな)
 ボス 「入社試験を受けていただきたいんですが」
4日目:Jさん 「どうなりました?」
     ボス 「月曜から来られます?」

 しかし、私も私だな。どうやったらこんな目立つひとに、気づかずにいられるのだ。試験と面接って、私の斜め後ろ1.5メートルの机でやってるのに。忙しくても、次から会釈くらいしよっと。忙しさによるけど。

b0023749_22521963.jpg社長 「でもね、ご本人も気にしてるみたいで」
私   「電話ですか」
社長 「ううん、ヒゲと髪の毛。なんか、
    『ムサ苦しくてすみませんね、月曜には刑務所帰りみたいにスッキリさせて来ますから』
    とか言っちゃって」
私   「ああ、――ちゃんと自覚も自重もできるかたなんだ」
社長 「よかったね」
私   「助かりますね」

 だって、潔癖症なのだもの。社長が「ウチの両エース」と勝手に呼んでるうちの1人って。

 ――あれ?
 でも、「刑務所帰りみたいに」って。
 それって、だめなんじゃ……。
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by tokyo_ao | 2005-06-02 20:04 | 小ネタ

18禁コンビ④(お姉ちゃん)

 
 エロネタやめたまえと言われたので、エロくないのを。

b0023749_2301279.jpg 「助けて、死ぬ」という電話が、時々けいちゃんからかかってきた。
 けいちゃんの弟、せいちゃんが上京してくる予告だ。

 けいちゃんは、この年の離れた弟に自分の仕事&趣味を知られることを
極度に恥ずかしがっていた。因果なお人だ。
 せいちゃんが泊まりにくるときは、自宅のヤバいもん全部強制撤去する。 

 しかし、けいちゃんは仕事がレディコミ作家、趣味は18禁同人誌を描くことと読むことときている。仕事と趣味の両面に関わるもの全部疎開させるんだから、ひと1人の生活の痕跡を消すレベルの作業だ。実家暮らしの高校生(私)にまで、ノルマが割り振られるくらい。
 ウチにも弟いるっつうねん。

 このせいちゃん、髪がさらっとして、いかにも米どころの産らしい色白の男の子。
 兄2人姉2人という家庭環境のせいか、けいちゃんの自宅に出入りする友達のことも、女は「××姉ぇ」男は「××兄ぃ」、誰彼となく呼びかけてきて、みんなに可愛がられてた。というか、おもちゃにされてた。

 5月の連休、せいちゃんは前半けいちゃんの家に遊びに来て、後半は友達と旅行に行くと
言っていた。

 せいちゃんが帰ってから、けいちゃんとあっちゃんの日常回復作業が始まる。
 マンションの前にブツを降ろして、けいちゃんは車を駐めに行き、あっちゃんは荷物の番、私は
第一陣のソレを台車に積んで部屋の中へ。

 せいちゃんがいた。

 東京駅から実家に電話したら、友達が体調くずしちゃって旅行に行けないというから、戻ってきたという。
せいちゃん「なんでA姉ぇ(←私)がいんの? けい姉ぇたちは?」
私      「あのね、……暫く帰ってこないんじゃないかな……」
せいちゃん「ナニソレ」
私      「……手伝いなんだよ。泊まり込みで」

 せいちゃん、姉の職業が漫画家だということまでは知っているから、この脊椎反射みたいなウソはすんなり通った。

せいちゃん「えー、せっかく戻ってきたのに! おれ、ヒマじゃん!」

b0023749_011286.jpg ……こぉの、わがまま末っ子坊主め。
 きみはヒマかも分からないが、私の頭の中はいま非常に忙しいぞ。
 ……マズい、絶対にマズい。
 このままココにいたら、けいちゃんの一番隠したがってるブツばっかり限定で、どしどし搬入されてくる。しかも第一陣のはダンボールに密封してあったけど、あとはフタが開いてるとか、紙袋につっこんだだけとかだ。
 そもそも、いくらせいちゃんがポーッとしてるからって、自分が辞するや否や姉たちの部屋に謎の物体が大量に運び込まれたりするわけで、何ぼ何でも不審だろう。
 
 せいちゃんに何とか言い訳して、2人に急を告げに行くか。
 ――いや、マンションの入り口は2ヶ所ある。2人の部屋は2階だし、あっちゃんを足止めしてる間にけいちゃんが階段使っちゃったりしたら最悪だ。

せいちゃん「……何これ?」

 は。
 ――私のリュックのポケットに、けいちゃんの同人誌が1冊突っ込んであった。
 しかも、あられもない表紙の。

せいちゃん「お姉ちゃんの本……?」

 絵柄でバレてるし!

 勝手にソレを引き抜いて手に取ったせいちゃんに、静かに言った。 
私 「……お姉さんに貸しなさい」

 せいちゃんは数秒抵抗するそぶりを見せたが、
私「子どもの見るもんじゃない!」
 ……押し切った。

 けいちゃんたちに出くわさないようせいちゃんを誘導して、友達の先輩がやってた飲み屋に
連れていく。「どう見ても子どもだからヤだ」(せいちゃん16歳)としぶる先輩を拝み倒して飲ませてもらう。
 首尾よく泥酔させたところで、引きずるよーにしてけいちゃん宅へ。
 ミッションコンプリート。

 後日、実は私がせいちゃんと同い年だということがバレた。

 笑ってごまかそうと思っていたのだが。
 私のことを、おびえた眼をして見るようになった。 あんまりだ。
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by tokyo_ao | 2005-05-30 15:39 | 小ネタ

「18禁止コンビ」③(ちょっと休憩)


 このころ、知らない人から自宅に電話があって、なにかと思えば同人誌に寄稿した文章へのクレームだった。
 今ならメールで連絡を取れば済むことだが、電話だとそうとう不気味だった。

 当時「腐女子」なんて言葉はもちろんなかった。「腐りかけ」と自称するのはさらなる先達に譲るとしても、私たちくらいがたぶん「そろそろ腐ってた」と思う。なかで私は年少のほうだったし、基本的に「頼まれたら何でも引き受ける」ことで、腐女子づきあいを保っていた。

 従って「帝国陸軍士官限定、スキンシップOK」、とか「三国志の武将どうしで、微エロ希望」とか、何でアンタら本当に、そんな業の深いものを作ることになったの? という依頼も来る。
 こうゆうテーマを、商業誌のレディコミを頑張って、自制心のハードルを下げつつあるプロの漫画家さんが描いてたんだから、腐ってたことは間違いないと思う。

 しかもその分、同人誌のほうには独自のこだわりを発揮するひとも多くて途惑った。
 先の電話も、要するに「微エロ」の基準に関するもので。
 ぎこちない自己紹介のあと、つまり、指をなめるのはやめてくれと。

b0023749_23591865.jpg私 「……確認なんですが、キスまではOKでしたよね?」
相手「ええ、キスまでは」
私 「……ただ、『微エロ』でしたよね?」
相手「だから、微エロでキスまではOKです」
私 「ええと、じゃあ、指じゃないとこをなめるというのは……」
相手「指じゃないとこと言いますと?」
私 「……うーん、耳とか、首?」
相手「…………」
私 「じゃあ、ツメだけ」
相手「…………」

 首をひねりながらとにかく電話を切り、
 ――閃いた。

 キスシーンに差し替えてみた。

 ……通った。
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by tokyo_ao | 2005-05-23 00:30 | 小ネタ

「18禁コンビ」①


 だいじなゲラは同僚Sさんか私、どっちかが校正する。だから私が自社企画の本に専念しても、Sさんがいるから大丈夫。のはずであった。

 ハプニング。
 Sさん、えっちな小説は読んでくんないんだったよ。 
 しょうがないので私が読む。……ほんとに出るのか、自社企画本。これはポシャると最大手得意先の信用を失って、ほかの仕事も来なくなるだろうし、小さい会社だからたぶん潰れるのだが。今、イヤなシミュレートをしてしまった。

 ……しかし今に始まったことじゃないが、2人組で相棒がえっちダメなのって微妙だな。えっちなの全部私が読むことになるじゃないか。こないだは恥ずかしかった。

ボス 「先月、えらい性的描写キツいのが来てたね。アレ結局誰が読んだの?」
私  「Dさんと私です」
社長 「いやあ、えっちなのって言ったらシリーズものの! えーと、初めは誰が……」
私  「Kさんと私です」
ボス 「そうか、それはオレ第1巻しか見てないんだけど。続きは誰がやった?」
私  「……社長と私です」
バイト君「ぜんぶQさん(←私)なんだ……

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 えっち星人を見るような眼で私を見るのはやめれ。

 いろんなことを思い出してしまう。


 知り合いに、某美大のOGで漫画家のタマゴの、けいちゃんとあっちゃんという2人組がいた。
 女の子2人で一緒に暮らして漫画を描いてたんだけど、けいちゃんは専業作家、あっちゃんのほうは漫画だけじゃ食べてかれないのでOLさんもしていた。
 あっちゃん、エロがダメなひとだったのだ。 

 けいちゃんのほうはレディコミの仕事がけっこうあって、あっちゃんに紹介してあげると言ってるのに、あっちゃんはダメだった。がんばってカットは描いてみたことあるらしいけど、カットだけで恥ずかしくってダメだって(←だめだめ)。
 うっかり「私もダメなんです」(←実はウソだ)と口走ってしまったばかりに、あっちゃんと私は「18禁コンビ」という強引なくくられかたをしたのだった。
 
 でも、前から思ってたけどさ。
 先輩、このアダ名って、意味が逆でしょ……。
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by tokyo_ao | 2005-05-19 17:40 | 小ネタ